ゴミとしての本

そもそも古本屋を開店しようと考えたのは自宅に増え続ける本の行く末を考えてのことです。将来的には自分が死んだ後はそれらの本はゴミとして廃品回収に出すか清掃センターに持ち込まれるかしか考えられませんので、それならば今のうちに身辺整理をしておかなくてはならないという訳です。実際店に並べてお客さんが購入していくと何らかの役に立つのだということがわかり、ゴミとして処理されなくて良かったと思う次第です。最終的にボロボロになればゴミですが、その前に必要として循環されるのが望ましいと思います。勿論収集家は自分の手元に置きたいのかも知れません。

そんなことを考えている時にお客さんが新聞の切り抜きを持ってきてくれました。タイトルは「古本屋になろう」というもので書いた人は中央線沿線で古書店を営んでいます。今回言わば古書店開店のノウハウを本にまとめて出版したという訳です。ゴミとして家庭から出された本が古本として売られ、転売を重ねて本として生き返り、また総ての本を次世代に残すのは物理的に不可能なのでどこかで廃棄処分をして行かなくてはならない、したがってその交通整理をする古本屋は重要な仕事であると言っています。

あんまりそんなことは考えていませんでしたが、古本屋の店主が書いた同種の本が最近になって何冊か出されています。本に関する関連本がこれだけ出されるというのはやはり出版業界があまり景気が良くないということなのでしょうか。そしてそんな中で古本屋は結構頑張っているということなのでしょうか。ところでこれらの本を読んで新規に開店される人がいるのか、期待したいと思います。またゴミとして誰かがどこかで処分してしまうのでしょうか。それは勿体ない話です。