人を結う

 店を始めてからの二年間で色々な人との新たな付き合いも始まっている。お客さんで有ると同時に別のお付き合いも始まる人もいて、様々な関係が全く新しく作られていくのだ。おかげで全く知り合いもいなかったこの地でかなりの数の知り合いが増えた。不思議なもので知り合いの知り合いは知り合い同士であり、私の知らない所で店の存在が知られていることもある。

最近はあまり多くの付き合いを必要としない生活をしているが、それでも知り合いが多くなれば付き合いも多くなっていく。それを煩わしいと思えば出ていかなければいいし、面白そうだと思えば出ていくといった具合で、残された時間を精力的に消化していく訳でもないから自然のままで特に支障もない。と思っているが実際はどうなのかはわからない。

以前の知り合いから頂いた本のタイトルが「人を結う」というものだった。私の名前が入っていたので新たに一冊購入して店の棚に差してある。人と人との関係を新たに結び直すという意味だと思う。そしてそれが地域をつくるということに繋がっていくのだろう。古本屋を通じてそれが出来ていくのならそれもまた面白いと思うが。