書評の効果

 

 毎週日曜日に新聞の書評欄に目を通している。基本的に新刊書籍の紹介評なので実際にはすぐ購入するということはなく、読んでみようかという本をチェックする程度になる。家族全員が読み終わり、切り抜きが終わった段階で書評欄だけ私が抜き取る。いくつか溜まった段階で気に入った部分をスクラップしておく。そのうちに古本で安く買えるようになって、その時にまだ読んでみたいという気持ちがあったら買うかも知れない。

 そんな感じで、まさに一読する程度なのだが、先週は見出しを見て購入しても良いかなと思った本があった。しかし、書評を読んだら買う気が無くなってしまった。書評はある程度食欲をそそる文章でないとその意味がないと思うのだが、今回はまったく逆で読んだら食欲がなくなったという事態になってしまった。

 評者は自分でも本を出している人で、それも少し前にかなり話題になった本である。以前勤めていた会社では、ほぼ全員が勧められて読んでいた。今回紹介している本も関連する内容でそれなりに興味を持ったのだ。だが何といっても書評の内容がよくわからない。本の内容を全部紹介する必要はないが、何が言いたいのかわからない。全体的に文章表現が難しくて、この本に何が書かれているかの紹介も曖昧、最後まで例え話でしめくくられている。現代の社会状況に対する自分の思いを語るより、この本が社会にどう切り込んでいるのかを語って欲しかった。という訳で残念ながらこの本は買いませんが、書評としては効果的であると評価してもいいのだろうか。