裏には何が

 店の開店は午後からなので午前中はテレビを見ていることが多い。飽きると家の周りの掃除や手入れをして飽きるとまたテレビを見ることの繰り返しで時間を潰している。飽きる理由は毎日同じようなニュースをやっているからでワイドショーでは手を変え品を変えて同じことを繰り返している。何度見ても本当に繰り返しだ。映像も同じものを何回も映し出す。放送局もすごいと感心してしまう。東京都知事の話にはもう麻痺してきた。時々大リーグの野球も見る。日本人が出ていると結構見てしまう。これで時間が稼げるのだ。田中将大が打たれていると何だか気の毒に思えてくる。日本で24勝もしたのにと何故と思っても、高額な契約金をもらっているのだから同情する自分が馬鹿みたいだ。

 もう30年以上も前のことになるが、現ロシアで原発事故が起こった時に広瀬隆氏を招いて講演会を開いたことがある。かなりショッキングな内容で運動も盛り上がったが数年したら下火になって皆ほかのことに戻ってしまった。しばらく放射能の測定運動を続けていたが続かなかった。日本で原発事故でも起こらないと本気にならないのではと言われた。福島原発事故の際には当時の政権与党は直ちに問題はないと連発し、その後選挙で変わった政権では原発再稼働が行われ相変わらず原発に依存している。反原発運動も政治運動も挫折した今となってはかなり醒めた感じで眺めている。さて、広瀬氏は講演会の中で色々な情報は新聞などの報道で得ていると言った。著書を何冊も出しているのでそれなりの資料は集めるのだろうが、要するに報道されない裏側の部分が重要であるということだった。今テレビなどで毎日取り上げられて報道されている内容は見ている人の眼を反らせているだけだとしたら、その裏側では何が進行しているのだろうかと心配になる。「東京に原発を」広瀬隆(集英社文庫)