また本の本

 相変わらず本の本が出され続けている。本を読む人はその周辺の関連本も読みたくなるようで色々な角度から書かれたものが出てくる。つい手を出してしまうが、手元から離れていくのも早い。以前にひとり出版社について紹介したが、その続編のような本が出ていたのでつい買ってしまった。この本もそのような出版社から出されていた。よく本が売れないと言われる言葉の中には現状のシステムについての問題が指摘されている。そしてここに登場する小さな出版社の多くが新しい本の売り方を提案しているのだ。同時になぜ売れない本をつくり続けなければならないのかと言う問題については、自分の作りたい本だけを出すために小さい出版社を営んでいることを示して見せるのだ。一番の問題は取次会社の在り方なのだが、それに対しても小さな流通会社を提案して実績を見せている。この本自体を出している出版社も含めて12の小さな出版社が出てくる。定年退職してから始める人や途中退職で始める人など経験は様々だが、自分たちの出したい本を小さな規模でじっくり作りたいと言うことは共通している。必ずしも共通している事ではないが一つだけ発見があった。何となくそうなのかなと思っていたのは、このような出版の在り方だけではなく若い人のライフスタイルが東日本の大地震以後に少し変わってきたのかなと言うことである。社会状況も厳しい現実があることも合わせて将来的な不安があるのだろうか。求められているのは普通の等身大の生活であり、安らぎや癒しのあるもののようだ。これは納得できるような気がする。筆者の本は以前にも読んだが文が読みやすくて内容もわかりやすい。まだまだ本関連の本が出されるのだろうか。