懐かしい名前

 今はインターネットで検索すると様々な情報が入手出来る。試みに自分の名前を打ち込んで検索してみた所、過去のいくつかの履歴が出て来た。同時に同姓同名の見知らぬ人も出て来た。どこで誰がこれを見ているのかと思うと少し怖いなと思う。この人の本を探していて名前を検索入力してみた所、ちゃんと本が出ていた。プロフィールの紹介記事も出ていて亡くなる晩年は私の故郷で暮らしていたこともわかり、少し驚いてしまった。以前に渋谷の古書店でこの人の詩集を買ったことがある。若い店主は委託でその詩集を扱っていたようだが、すでに本人は亡くなった後で、その旨を伝えるとともにもっと高い値段で売れるのではないかと言ったが、その店主は頑なに定価で売ってくれた。私には貴重な詩集となったが店で売れてしまった。

 筆者はポンと呼ばれており、色々なイベントなどで見聞きしていた。それにしても壮絶な人生を送ってきたものだというのが感想だ。最後までイベントをこなしながら精力的に活動していたようだ。60年代に多く見られたヒッピーたちのその後はどうなったのだろうと思っていたが、それらの活動の経過がわかりやすく書かれている。時々はマスコミを通じて伝えられていたが、当時知った人達の消息もわかり、何だか懐かしい。同時にその文化的な運動の内容まで解説されていてとても勉強になった。しかし、あの時代から50年が経過して何がどう変わったのだろうか。という思いもある。本を読む限り皆普通に暮らしていて、今では少しずつ亡くなっているのが信じられない思いだ。「トワイライト・フリークス」山田塊也ビレッジプレス)