寒さの中で

 いよいよ今年も終わりに近づいてきた。懸案の棚卸しも終わり、今日で年内営業は終わりとなる。不思議なもので昨年とほぼ同数の推移となっている。ということは相変わらずというか少しマイナスになっている可能性があるということかもしれない。移転の話も全然動かない。まるで詐欺に逢ったような気分であるが仕方ない。当面このままでおとなしくしているつもりだ。ひっそりと古本屋の店主をやっていよう。

 今年の夏場以降は体調面もあまり良くなくて、年末になってまだ同じような感じなので年明けには病院に行くつもりだ。全く良いことがない。知り合いの詩集も結局年末ぎりぎりまでかかってしまったが、何とか出版になりました。これは良いことか。すぐに次の本づくりに入ることになっているので、またしばらくは原稿との対話が続くことになりそうである。しかしこれが良い勉強になる。正月休みのために本を何冊か購入したので、これから読書が続く。

 温暖な冬が続いているが、朝晩はやはり寒さを感じる。私の部屋にはエアコンが無いので夏は暑く冬は寒い。でも慣れればこれで不自由はない。この季節は裏の山から吹いてくる風で落葉が溜ってしまう。これを毎日のように掃き集めて裏庭に貯めている。昨年の落葉は良い堆肥となり、すでに花壇に入れたので、今年の分をまた堆肥にするつもりだ。今の所に引っ越して想定外だったのはこの風の強さである。家が壊れるのではないかという位に強い。

 そんな訳で、寒さの中で日々落葉掃きをしている。掃いても掃いてもきりがない。毎日がまるで修行のような作業であり、木が裸になるまで続くのだ。掃いた後に落葉、その時の心理状況は今の自分には結構良い刺激になる。これが毎日であり、毎年であり、一生である。そう考えると毎日同じことを繰り返していることも何ということはない。こうしてまだ古本屋はしばらく続いていくのかもしれない。