本を読む

 二冊の吉村昭氏の本を読む。読みかけの本がなかなか読み進まないので合間に別の本を読んでいる。それも何冊も読みながらまた読みかけの本に戻るということをしている。全く内容の違う本を読んでも支障はないので同時進行で読んでいる。ここの所文学作品は読めていない。エッセイや随筆などが多い。吉村昭という人の作品は読んでいないのに偶然に二冊も入手したので読んでみた。「私の文学漂流」では読んだ本の紹介なのかと思ったら自伝であった。結核で長い間苦しみ手術までしながら作品を書き続けた内容が分かりやすく書かれている。勤めながら真面目に文学作品を書き続けた人柄が伝わってくる。今更だが最近新聞の書評欄を読むようになっていたから、書評の意味や書き方がこういうことだったのかと改めて理解できた。旅に関するもう一冊の本はさらに読みやすい。いくつか重複する内容もあった。「私の文学漂流」吉村昭(新潮社)、「旅行鞄のなか」吉村昭(毎日新聞社)

 漫画家の竹宮恵子氏がデビューしたのは雑誌「COM」の投稿欄からである。愛読していたので当時の作品もよく覚えている。あれから50年が過ぎている。実は竹宮氏の作品はあまり興味はなかった。その後の活躍もほとんど関心が無かった。当時はこの世代の漫画家の取り上げ方が多くなり大きなブームを起こしていた。実際漫画の書き手はこの時代からどんどん入れ替わっているのだ。今まで本を出していなかった筈なので今何を書くのだろうという興味はあったが、内容はデビューからの半生記でこちらも今更という感があった。「少年の名はジルベール」竹宮恵子(小学館)

 まだまだ続くのだろうかと言う感じでまた本屋の案内本が出ていたので性懲りもなく買ってしまう。この本屋&古本屋ブームはどこまで行くのだろうか。そんなに面白いのだろうか。「東京わざわざ行きたい街の本屋さん」和気正幸(GB