続々・社会的事業と新公共スタイル

 地域の中で自分の定年後をどう創っていくのかは結構難しい問題である。仕事をしないでいるとやることが無くなってしまう。趣味を多く抱えている人は忙しいだけだし、実はお金もかかる。何もない人は家にいても邪魔にされていく所も無いという状態になってしまう。図書館や地域の老人福祉センターには日々そんな人達が集まっている。私も誘われているが人見知りが激しいので難しいのではないかと遠慮している。

 定年も無かった自分は早くからアルバイト生活になっていたのでそのままずっと同じような生活が続いていた。退職と同時に小さな家を買ってそこに引越しをした。今周辺の人達と月に一回の例会を持ち色々な問題を話し合う機会を作っている。その中から出てくるのは何か地域の中で役に立てたらいいと言うことである。それぞれあれがやりたいこれがやりたいという思いは持っていてもなかなか実際に動き出すことはない。結局誰かが始めればそこに参加しても良いという程度のことなのかもしれない。

 なかなか本題に入らないのに又余談だが、子供の頃に家では酪農を営んでいた。朝早くから多くの乳牛が搾乳を求めて鳴き始めるので暗いうちから親は起きだしていた。大変な労働だと思う。そして牛には音楽が効果的だと言ってラジオを大きな音量で流していたのだ。私がまだ寝ている時にスイッチを入れておき、試験放送からNHK放送開始のオルゴールが流れ始める。それを毎日聞いていた。先日思い立ってそのオルゴールをパソコンで調べたらまだFM放送で番組開始に使っていたのが分かって懐かしかった。そのままずっとラジオが流れていくのだが途中で教会の番組がありこれも毎日聞いていた。おかげですっかり洗脳されてしまい教会からパンフレットを送ってもらうようになってしまった。今でも実家には送られてくるようだ。でもその放送で流れていた言葉が自分の生き方に影響を与えているのを実感することがある。「暗いと不平を言うよりも進んで灯りを点けましょう」と言うようなものだったような気がするのだが。