I am a ZENSO

 この人の本はこれで三冊目である。最初に読んだ対談本が面白くて名前を見つけると買っているのでまだ読んでいない本が何冊か積まれている。今の所どれも同様に面白いので少しずつ読んでいこうと思っている。「論座」という月刊誌に連載していたもので初めて書いた文章らしい。自分の生い立ちから社会状況まで宗教者としての言葉が綴られている。何が面白いのだろうと考えてみると一つは宗教に対する深い想いがわかりやすく書かれているからではないかと思う。加えると文章の上手さとこの人の人間性のようなものだろうか。少し理屈っぽい所も気に入っている。連載されていた文章なのでどこから読んでも短くて読みやすいし、わかりやすく書かれている。最後はまるで落語のような終わり方でまとめてある時もある。帯には「いま、新しい禅僧が登場した」と書かれているが、宗教の言葉や中身をわかりやすく伝えようとしているのが理解できる。この人はまだ問い続けていくのだろうか。この後は最新作を読んでみるつもりである。「語る禅僧」南直哉(朝日新聞社)