暗い時代なのか

 しばらく乱読が続いていてまともに本を読んでいないような気がする。面白そうな本だと思うとパラパラと捲って拾い読みや浅い斜め読みばかりで読んだ気になっている。なるべく最後まで読めるようにと思っているのだが読み始めた本が読みにくいので時間がかかっているのだ。何人かの人物を紹介しているので、その内の一人が面白い人物だと思って読み始めた。そうしたら何だかわからないが読みにくいのである。文章のせいなのか誌面の構成のためなのかとにかくなかなか先に進まないので困った。とりあえず気になる人物の所だけは読み終えて後は少しずつ読んでいる。文中に紹介されている別の本も読みながらゆっくりと進んでいる。私がよみにくいと言っている本の中で著者が紹介している本がやや読みにくいと言っているのも面白い。興味を持ったのは斎藤雷太郎と立野正一と「土曜日」人々と喫茶店「フランソア」だ。この本全体が戦争に至る時代や戦時に生きたそれぞれに個性的な人を紹介している。昨年と一昨年に市内に住むという保阪正康氏の講演会と学習会に取り組んできた。その中で保阪氏曰く今の時代が当時によく似ていると言うのだ。私は戦後の戦争を知らない世代なのでその戦争へと向かう当時の様子は全くわからない。が最近よく聞く言葉だ。いくら人生100年時代がきたと国が言っても後何年かしたら戦争を実際に体験した人たちはいなくなってしまう。これは新たな戦前なのだと言われても誰にもわからないだろう。「暗い時代の人々」森まゆみ(亜紀書房)、「幻のスタヂオ通信へ」伊藤俊也(れんが書房)