ミニコミは楽しい

 いま古本の世界には色々な参加の方法がある。昔ながらの古書店を親の代から引き継いだ後継者やインターネットで古本を売る人、古本を文化と考えて店を持つ人、そして趣味的に一箱古本市に参加する人などである。この著者は一箱古本市を提唱して取り組んできた人でもあり、編集者として色々なミニコミを紹介してきた人でもある。今回はそのミニコミ誌を出している人たちにインタビューしたものをまとめた本である。今までも出版など本に関する本を何冊か出しているが、ミニコミ誌については興味を持っているのでつい買ってしまった。若い時からミニコミ誌を作っている変わった人達が登場する。それぞれ編集者になったり書き手になったり出版社を立ち上げたりとそのまま関連するような仕事に就いている。やはり発行物に対する拘りがあって出し続けているのだろう。それは自分も同様で書いたり作ったりするのが面白くて色々なものを出してきている。自己表現の場所から、地域における運動として、本を作ることが有効なのだと言えるのかも知れない。読んでいて関係ないことがずっと気になっていた。この表紙の手触りがすごく良いのだ。今度これを使ってみたいと思う。「編む人」南陀楼綾繁(ビレッジプレス)