最近買った本の本

 どうも本や書店がブームになっているようで雑誌の特集などが組まれることが多い。そしてつい買ってしまうことがあるので困ってしまう。取り上げられているのは若い人が始めたお洒落な小さい店が中心だ。カフェやギャラリーなどもあったり昔の古本屋などとは随分とイメージは違っている。新しく店が出来たと聞くとたまには出かけてみるが並んでいる本も綺麗な本が多い。思わぬ本があったりしてつい買ってしまう。それにしては店の近くにある昔からの古本屋は閉店する所もあって過渡期なのかなと思うこともある。

 最近読んだ本の本は近くの大きな書店で棚にいっぱい並んでいたのでいつか読むかもしれないと思って買ったものである。一つは写真がいっぱい入っているので読むのはそんなに苦労しなかったが本の話にしてはなかなか読み進めなかった。外国の本の行商人の話だが前の半分ほどがほとんど導入部のようでその成果も知れない。思えば小さい頃に祭りの屋台で雑誌の付録などを古本で売っているのをよく買った記憶がある。戸板に並べられた古本は懐かしく思い出す。もう一冊は本のミニコミ誌に連載されていた漫画である。あれば面白いが屋台で本を読ませる話である。残念ながら連載されていた雑誌を出していた人が亡くなってしまった。当然連載も終わったが単行本で出されたのでもう一度読んでみようと思い買ったしまった。

 どちらも本が娯楽媒体としてだけでなく文化として在ったと言うことなのかも知れないと思った。いま新しい本屋もそんなものを背負っているのかも知れないとも思う。「モンテレッジオ小さな村の旅する本屋の物語」内田洋子(方丈社)、「古本屋台」QBB(集英社)