未解決事件を追う

 以前にも書いたことがあるが未解決事件について書かれた本が好きで店にも置いてある。冤罪事件や社会的事件の本も多い。萩原雄一氏の作品はネットでかなり高額で紹介されていたので時間がかかったが入手して読むことが出来た。今回の本もネットに投稿されたものを出版社が出した本らしい。経過を読んでそれなりの信憑性が見られるということだったので読んでみた。当時は社会的にも大きく取り上げられた現金強奪事件でモンタージュ写真が公開されたこともあり話題になった。だが結局この事件は時効になっていつの間にか忘れられてしまった筈である。その後に何冊かの本が出されて犯人らしい人物も浮かび上がっている。この本にもそれらの人物がまた出てくる。だが本を書いたのは全く違う人物だった。しかも自分が犯人だと言うので早速読んでみたのだが今更この本が売れるのだろうかという気にもなった。なかなか文章の書ける人らしいということがわかったので尚更と思うのだ。何で今更この事件を明らかにする必要があるのだろうかと思ったりもしたのである。名乗り出るのが目的ならば本を出版するよりも記者会見でもして社会的に明らかにしても良かったのかも知れない。「府中三億円事件を計画実行したのは私です」白田(ポプラ社)