懐かしい気分で本を読む

 

小さな町が生んだ二大小売チェーンと書かれている町は埼玉県小川町であり、中に登場するのは店のある東松山であったりと極めて身近な処の話がいっぱい出てくる。同時に昔住んでいた町にあった小さなチェーン店も出てくるので懐かしい思いで読んでいた。しかも「しまむら」の前社長は自宅の近くに住んでいるのだ。銀行などもそうだが合併を繰り返して昔の名前をすっかり忘れてしまった。同じように身近にあった小売チェーン店も吸収合併を繰り返してどんどん名前が変わっている。そう言えば私も昔はそんな会社に勤めていた。ほんの数年だったが色々な店を見に行って勉強をしたつもりであった。つい何年かまえまでその頃に勉強した帳票類を保存していつか役に立つのではないかと思っていた。それらを捨ててから店を始めることになったが、今ではパソコンでそれらを記帳する時代なので実際には持っていても役に立つことはなかった。そんな厳しい時代の中でタイトルのなっている二大チェーン店は生き残っている。当初の店とはかなり変わってきているが、大手も存続が厳しい中で店舗数を拡大して売り上げを伸ばしていることは評価されるだろう。今よく名前を聞く有名なそんなチェーン店のいくつかは今後はどうなっていくのかわからない社会状況だが、何だか懐かしい思いで読んでみた。「しまむらとヤオコー」小川孔輔(小学館)