高齢ヘルパー

 

最近のニュースでよく見るのが高齢者に関するものだ。社会的な事件のようになっているのが高齢者の交通事故と福祉施設での死亡事故である。背景にあるのは当然ながら社会全体に高齢者が多くなっていることだろう。ありえないことだが人生100年時代などと国が言い出したのは最近のことだ。その理由は年金制度が破綻するからだ。高齢者の交通事故については明らかにペダルの踏み間違いでこれを認知症に関連付けて運転免許を返納しようと言う運動に繋げている。社会的な制度が高齢化社会に追いついていないのではないかと思える。車が高齢者や女性などにも気軽に運転できるようにオートマチック車を主流に生産し始めたのもそんなに昔のことではない。個人的な考えだがペダルの踏み間違いはオートマ車の普及と関係があるような気がする。両足でペダルを操作しないことによるせいではないかと思う。いま開発をすべきなのは自動運転ができる車ではなく初動時にゆっくりと発進する専用車ではないか。高齢者が運転免許を返納しない理由でよく聞かれるのが買い物や病院へ行くことが出来なくなってしまうと言うものだ。遠出をする訳でもなく日常生活に使用するだけの公共交通機関を整備することが出来ないものかと思う。

 

自分が高齢になる前に家族が長期入院する機会があった。毎日のように病院に通う訳ではなかったが、行った時には職員ではなく自分が介護をすることもあった。全く身体を動かせない状態だったので、ただ単に力任せにできる介護とは違った。退院した後で将来的にも同様のことが怒り得るのではないかと思って空いている時間を使ってヘルパーの講座を受講した。今ではテキストも無くなってしまい学習したことも忘れてしまったが、必修だった施設への研修は良い経験をしたと思っている。一応当時の二級ヘルパーの資格も取ることが出来て、就職をするべく必要性ができてハローワークに通っている時に役に立つのではないかと思ったが、残念ながら自身が高齢者になってしまっているせいもあるのかどこにも採用されることはなかった。今も施設の壁にスタッフ募集などと言うチラシが貼ってあると折角の経験なので行かせないかと思うこともある。ただ高齢者の男性ヘルパーでは敬遠されるようだ。先日所用で実家に出かけた際にも実際に在宅での介護が必要な現実が多くあることもわかった。介護する側にも介護を受ける側にもなりそうな自分を考えて介護に関する色々な実践を読んでいる訳である。「男性ヘルパーという仕事」山口道宏(現代書館)