買物難民

 店の近くにあるデパートに有名な書店が出店したので自分としては助かっている。何しろそワンフロアが全部本なのだから在庫数がすごい。とりあえず文庫の品揃えが多いのは良いことだ。不満があるとすれば雑誌の種類が少ないことだろうか。但しこれだけの在庫数をもってもほしい本はほとんど在庫なしという検索結果が出てくるので大体注文になる。時間がかかっても初版本でなくてもとりあえずは本が入手できるのは助かるという結論になる。

 この地方デパートは昔は皆がよく通ったとお客さんから聞いた。小さい頃はこの店が一流店で街の看板だったと懐かしむが今では若い人が買い物する姿をほとんど診ることはない。店全体の雰囲気や品物が昔のままなのだ。したがってお客さんのほとんどは昔からの馴染みの人で時々行われるセールの時などはそんなお客さんでにぎわっている。しかし普段は空いている頃が多い。お客さんは食料品を買うのが中心でそれ以外はとにかく高くて買う気にはならないだろう。でも今の所はまだそんな高齢のお客さんで支えられているといった感じだ。

 お客さんのほとんどは車での来客が多い。夫婦で来る場合は夫が運転手で買い物に付き合う感じだ。二人で買い物をするか外で夫が待っているという姿をよく見かける。そし最近よく見かけるのが入口付近で車が来るのを待っているお客さんが多いことだ。その人たちが待っているのはタクシーだ。さすがデパートを支えるお客さんだから買い物はタクシーでする人たちなのだ。店の周辺でもぽつぽつと店を閉める店が続いている。昔ながらの店はもうやっていけなくなっている。高齢にもなっている。店の人もお客さんも同じ年齢層なのだ。今のままの状態でいつまで同じことが続けられるのか。一年ごとにそろそろ限界なのかもと思う日々が続いている。