久しぶりに一気読み

最近は本を読む時間が増えているような気がする。家に持ち帰って読む本が多くなっている。前と違って店ではあまり本を読まないようにしているので家に持ち帰って空いている時間を使って少しずつ読んでいる。だからまとめて一冊読み通すことはなく本当に時間をかけて一冊の本を読み終えるという感じである。おかげで少しずつではあるが店にある本を順番に読んでいるということになっている。

あまり文庫本は読まないのだが久しぶりに電車で出かけるときにでも読もうと思ってもち帰った本だった。以前に何かの本で紹介されていた佐藤泰志作品集という本を探していたのだがどこでも高くてなかなか買うことが出来なかった。それで同じ作家の本を読んでみようと思って買っておいた本だ。でも一度だけお客さんに売れてしまい再度購入したものだ。やはり人気があるようで皆高くてそんなに買うことが出来ずにこの本だけが入手出来た。それは前もそうだったような気がする。

読み始めたら面白くて久しぶりに一気に読みふけってしまった。とにかく読みやすい。全体の構成も良くて次々と展開する各章に引き込まれるように読み終えた。しかし解説を読むと何と作家が若くして自殺してしまっているという。そしてこの本が半分を残して未完であるという。するとこの小説はこの後の展開もなく終わることもない訳だ。それぞれの話が短い章に分かれていてさまざまな登場人物がこの後に複雑に絡み合ってくるはずなのにと思うと残念だが仕方ない。

名前はお客さんにも教えてもらって知っていただけだったがみなさん本当に面白い作品は良く知っているものだと感心する。解説文によると過去には何度か芥川賞の候補にもなっているようだ。加えて過去のの小説と違ってこの作品はずいぶんと準備をしてとりかかった作品らしいので今までの作品とは違うらしいということだ。自分の読書は極めて偏った読み方なのでこうして教えられた本を読んでいくことも重要なことである。特に古本屋に来るお客さんは本当に本が好きで本を良く知っている人が多く学ぶことが多い。しかし別の本も読んでみたいのだが文庫本でも高いので悩んでしまう。「海炭市叙景」佐藤泰志(小学館文庫)

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コメント: 2
  • #1

    田島杏子 (水曜日, 18 9月 2019 00:12)

    佐藤泰志は私も好きで読んでいました。「海炭市叙景」は死後だいぶ経ってから映画化され、好評でした。私は初期の頃の作品をよく読みました。文芸誌に載り、芥川賞候補に何度か選ばれるものの落選が続きます。氏は北海道生まれなのでこの作品ができたのでしょう。
    ある日の新聞で氏の自死を知りました。国分寺市日吉町の雑木林の中で首を吊って死んでいたと。その辺りは私のかつての中学校への通学路だったので、衝撃でした。若くして妻子を残して亡くなりました。賞はとれなくともファンは多くいたに違いない。後年、全作品集と
    して分厚い1冊が出ています。当図書館にあります。( 司書 )

  • #2

    あふたーゆ (水曜日, 18 9月 2019 17:09)

    その分厚い作品集が入手できません。しかし今は別の文庫本を見つけたのでまた違う作品を読んでいます。