苦しい社会

随分と前に宮崎駿氏の新作アニメが創られているようだと書いたがまだその姿は見ることが出来ないままだ。先日ジブリ美術館の記事を読んでいたら確かにアニメは作成されているようだった。テーマとしては若者はどう生きるのかということだったような気がするがどんな物語になるのか完成するのか楽しみにしている。

先日出かけた古本屋で見つけた本に「この社会で働くのはなぜ苦しいのか」というのがあった。パラパラと中を見ていたのだが悩んだ末に買うことにした。買ったは良いがまだ読んでいない。すぐに読み始める本と暫く置かれてしまう本がありまだ棚に置いたままになっている。生きにくいということは働く事が苦しいからということになるのだろうか。確かに職場や仕事の場での付き合いが楽しい事ばかりではないのは事実で勤めを辞める人は多い。

最近やってきた若いお客さんで現在入社して研修中だという人がいた。大学を出て就職をして配属が決まるまでの研修をしている時期だということだった。実家が店の近くなので決まったらまた来るのでそれまで店を維持していて欲しいなどと言われた。おそらく今は配属先も決まって実践的な仕事に追われているのではないだろうか推測できる。好きな方面に就職が決まったのだから頑張って貰いたいと思う。好きな仕事を見つけてそこで働く事が出来るのは良い事であり楽しければ言うことはない。自分の事を振り返ってみるとやはり何度かの転職を繰り返した後に諦めたように生活の場として働いて来た様な気がする。そうこうしている内に年齢を重ねてしまうのである。

好きな仕事をして楽しく続けられれば生活のレベルは我慢できる範囲なのかもしれない。そんな事なども考えながら若い人がやっている古本屋を探しては見に行っている。本を中心とした店やカフェや雑貨店などを見ているとそこで働く若者たちには共通点があるような気がする。本が好きなのは当然と言えるのだろうが店を持つ人はネットで本を売るだけではなく人とのつながりのようなものを求めているように見える。本を通じて人と人とのつながり出来ればそこから別の楽しみがあるのだろう。会社に勤めて働く中にはない喜びがあるのだろう。会社勤めでは苦しい生活のためだけの仕事となりその息苦しさからはみ出してしまう人や初めからそこには入らない選択をする人達なのかも知れないと思ったりする。

「この社会で働くのはなぜ苦しいのか」樫村愛子(作品社)、「彼岸の図書館」青木真兵・海青子(夕書房)、「古くて新しい仕事」島田潤一郎(新潮社)、「しょぼい喫茶店の本」池田達也(百万年書房)