新鮮な気持ちで

いつだったか地元に住んでいる詩人の方から新しい詩集を戴いた事があった。勿論すぐに読ませてもらって簡単な礼状を出した。その人の本は何冊か店にも置いてあるのだが少しずつ売れてしまうので再度仕入れては並べている。その中に自伝的な本が一冊あり既に売れてしまって在庫が無かったのだがネットで見つけたので入手しておいた。そのまま暫く棚に差していたのだが読んだ事が無かったので最近読んでみた。自伝的な本なのでその人が当地で苦労して子育てをしながら様々な運動に関わってきた事が分かった。同時にその人が言った言葉が読みながら納得できた。古本屋をしていると色々な人と知り合いになり色々な話の中からその人間関係も見えてくる。その中から今回のように改めて分かってくる事があるのも面白い。店では郷土出身の作家の本も収集している。文学作品を中心にしているのだが色々な人が知られずに活躍しているものだと感心する。調べるとこれが結構見つかるのだ。同時に当時の人間関係も見えてくるのでお客さんの話と合わせて意外な事が分かってくる。人間関係は別として出された本は貴重な資料でもありこれからも少しずつ集めていきたいと思っている。さて本の中には自分の子供の詩を紹介している部分があった。以前に店に来た時に聞いた事のある名前だった。そしてその名前を手元にある別の同人誌でも見かけたので探して購入してみたらどうも同じ人の様であった。名前は記憶があったが作品は初めて読んだので新鮮な気持ちで読む事が出来た。詩人の作品は別の詩集も出されているようなのでそれも注文した。もしかしたらここからまた別の発見があるのかも知れないと思う。「天窓」くりはらすなを(七月堂)