安楽死を視る

講談社ノンフィクション賞を受賞して本がこの本の前に出されているようだがそれは読んでいない。その後に出されたこの本を読む前にテレビで安楽死をする人を追った番組を見た。そしてこの本はそのテレビで放映された人を中心に書かれている。全く偶然に放送を見たのだがかなりショッキングな内容だった。最後には現実に目の前で人が死んでいくのである。それも日本で法律的に禁止されている安楽死である。その経過は本の中に詳しく書かれているが自らの意志で死ぬ選択をしてそのスイッチを押す場面が映し出されるのだ。その後はほんの数分で実際に死んでいくのだが今まで生きていた人が死人の顔になっていくのがリアルである。以前にも在宅での死を放送した番組を見たことがあるが実際の臨終場面は映し出されなかった。その番組は映画に編集されて上映されている。埼玉県の病院で行っている在宅医療の記録映画である。今回も偶然にその番組を見てこの本も立ち寄った書店で偶然に買ったもので読んでみたら同じ人の話であった。日本では安楽死は認められていないので外国に渡って実行したものだ。それでも色々な条件があり簡単に実行できるという訳ではないので内容は本を読んでもらいたい。それにしてもまるで吸い寄せられるようにこうした本を読んでいるのは現実にどんどん歳を取っているからだろうか。「安楽死を遂げた日本人」宮下洋一(講談社)