最近よく目にする本

若松英輔氏、内田樹両氏の名前をよく書店で見かけるようになった。おそらくそれだけ多くの本が出されているのではないかと思われる。どちらの人もお客さんから教えてもらった人である。今日も書店の棚を眺めていたら若松氏の新刊が置いてあった。読みやすいのでパラパラとページをめくっていたら、「詩と出会う」という見出しで書かれたタクシーの運転手の話が目についた。これが面白い。若松氏が詩人の大手拓次氏の展覧会を見に出かけ、駅からタクシーを使ってのエピソードである。「もう少し話したいことがあるんです」と運転手はメーターを止めて待っているというのだ。そして展覧会を見終って待っていたタクシーに乗り込んだ後の会話が良かった。こんな風に詩人は「詩と出会う」ことがあるのかと感心した。もしかしたらそんな場面をどこかで経験しただろうかと記憶を辿っても残念ながら思い出すようなことはなかった。