記憶する体を読む

今年の夏は7月から9月迄本当に暑かった。昨年はどうだったかと思い出しても確かに暑かったとは思うがこんなに長かったかとは思わない。年々季節は早く過ぎていくので一年中暑いような気がする。異常気象は色々な場面で現れて100年に一度のこととか言われても過去の記憶は全く無い。体が覚えている記憶も年々忘れていくので日々経験することはほとんど自分の経験したことの無いような事だ。しかし実際にはこの体が記憶していることは多いようである。最近読んだ本に「記憶する体」がある。いつものように何故この本を選んだのかは覚えていないのだが何かの記事か書評かであろう。そしてこの本が面白かった。以前に芥川賞を受賞した市川沙央氏の言葉にも驚いたが身体障碍者が体に持つ記憶についてこんなことが有るのかと驚いた。本は障碍者についてのインタビュー集なのだがそれぞれの障碍の中に持つ特異な感覚というものがあるという。この内容が凄いのだ。人間の体はこんな風になっているのかと言うのが当事者の感覚として述べられているのである。一例として全盲の人の感じる色の話がある。これがまた恐らくは個々人では全く違う色があるのだろうと推測できると思うと人間の体は本当に不思議に出来ていると思う。