2015年

7月

24日

探求本

現在店には約1万冊以上の本があると思われますが、それでもお客さんが欲しいものはなかなか見つからないと思います。したがってこちらからお客さんが探している本などをお聞きして探してくるという本の探偵屋をしています。以前に書いたように気になっている古本店を訪ねては自分の欲しい本を購入しています。お客さんの探している本も一緒に見つけられればという訳です。欲しかった本や欲しいけれど見つからなかった本など誰でも一冊くらいは思い出のように胸の中にしまっていて、実はこんな本を探しているということがあります。そんな本ができれば安く入手できればいいのですが、これはリストを作って持ち歩き現在も探し続けています。

当初は目録のようなものを作成していましたので、一応頭の中に在庫の有無は整理してあったのですが、追加の作成ができていませんので、現在はどこにどんな本があるのかわからない場合も出てきています。お客さんが探している本が確かにあった筈だが見当たらず、後でこんな所にあったという場合もあります。また売れてしまった本でも店に置いておきたいと思う本などは再度購入しています。大体探している時には見つけられず後から見つかるケースが多いのでダブって揃えてしまう本もあります。同じ本でも仕入れた時の値段によって売値も違ってきますので安い方を買っていただければ結構です。古本ですので同じ程度の本はありませんし、本の状態によってあるいはその時の価値によって価格も変わってきます。

懐かしい思い出の本、手元に置いておきたい本、収集家にとってはなかなか見つからない本など、時間の余裕をいただいて探してみたいと思います。

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2015年

7月

17日

ミニコミが好きです

開店時の案内にミニコミ、リトルプレス、地方出版、自費出版などと書いていたら、知り合いから何が違うのかと聞かれてしまいました。わかりにくい表現で失礼をしました。少し定義を調べてみましたが、あまりわかりやすくは説明できそうもないです。ミニコミとはマスコミに対する意味での造語で少部数の発行物として使われていました。が、本来は放送媒体も含まれるためミニコミ誌としての意味合いが強いです。そうなると同人誌があります。同じ目的意識を持つ人たちが集まって作る発行物として文芸詩などに多く見られます。

リトルプレスとは個人グループなどで製作発行まで手掛ける冊子で、製作者の趣味や嗜好が強く出てきます。小部数で趣味を共有する仲間たちに向けて発信する発行物となります。リトルマガジン、ZINE、なども含まれてきます。マガジンのジンからきているようです。自由に作る自主製作出版物で少部数の非商業的な発行物、手軽に自分を表現できる手段として使われているということです。文学的リトルマガジンと発行形態は近いと思います。この辺あたりまでがミニコミと言われるものでしょうか。

自費出版は趣味で作った本や作品集、自分史などを著者が自分で費用を負担して発行するものです。流通ルートに乗るのが難しいのでやはり少部数の発行となります。商業出版となると内容も含めて売れるものとなります。当然出版社が費用と販売まですべて負うものですので、そのような企画書でないと本は出されません。地方の出版社や小規模の出版社が出す雑誌など、地域の特色のある本や極めて専門的な少部数の本などを出しているものを地方小出版と言いますが、これもそう大量に売れるというものではありません。

店にはこのような色々な各地の本やミニコミ誌が置いてあります。今のところ定期的に仕入れて新刊本として販売している訳ではなく、このような冊子もありますという紹介もしつつ、元々同人誌をおける店が欲しいという目的に徐々に近づければいいなと思っています。最近は色々な冊子が多く出されていて、それも個性豊かなものがあります。自由な表現の場としてのミニコミが私は好きです。



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2015年

7月

12日

ゴミとしての本

そもそも古本屋を開店しようと考えたのは自宅に増え続ける本の行く末を考えてのことです。将来的には自分が死んだ後はそれらの本はゴミとして廃品回収に出すか清掃センターに持ち込まれるかしか考えられませんので、それならば今のうちに身辺整理をしておかなくてはならないという訳です。実際店に並べてお客さんが購入していくと何らかの役に立つのだということがわかり、ゴミとして処理されなくて良かったと思う次第です。最終的にボロボロになればゴミですが、その前に必要として循環されるのが望ましいと思います。勿論収集家は自分の手元に置きたいのかも知れません。

そんなことを考えている時にお客さんが新聞の切り抜きを持ってきてくれました。タイトルは「古本屋になろう」というもので書いた人は中央線沿線で古書店を営んでいます。今回言わば古書店開店のノウハウを本にまとめて出版したという訳です。ゴミとして家庭から出された本が古本として売られ、転売を重ねて本として生き返り、また総ての本を次世代に残すのは物理的に不可能なのでどこかで廃棄処分をして行かなくてはならない、したがってその交通整理をする古本屋は重要な仕事であると言っています。

あんまりそんなことは考えていませんでしたが、古本屋の店主が書いた同種の本が最近になって何冊か出されています。本に関する関連本がこれだけ出されるというのはやはり出版業界があまり景気が良くないということなのでしょうか。そしてそんな中で古本屋は結構頑張っているということなのでしょうか。ところでこれらの本を読んで新規に開店される人がいるのか、期待したいと思います。またゴミとして誰かがどこかで処分してしまうのでしょうか。それは勿体ない話です。

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2015年

7月

03日

古本屋ブームなのか

以前に「古本屋ツアー」を名乗る人が店にやってきたことがありました。ネットで調べると全国あちこちの古本屋、古書店を訪ね歩いては自身のホームページで紹介しているのです。その上に本まで出しており、これが結構売れている様子です。ちょっと高いので購入はしていませんが、ホームページではよく読んでいます。

紹介されている近くのお店をいくつか見に行ったのですが、確かに今までにない新しいタイプの古本屋が存在していました。ネットで調べるとそんなお店がいくつも出てくるのです。あまり遠くまでは行けませんが、面白くて今は色々なお店を見に行っています。全体的に若い人がやっている店が多く、昔の古本屋という感じではなく店内もそれなりにおしゃれな雰囲気が漂っています。カフェやギャラリーを併設していたり、可愛い雑貨を置いていたり、流されている音楽もセンスの良いものがかかっています。知り合いにも教えてもらってあちこち訪問していますが、面白い店があって楽しめます。

店に来るお客さんの中にも自分でブックカフェをやりたいとかお店を持ちたいという人がいますし、最近できた古本屋も違う店で働いていた人が独立したケースだったり(これが結構多いです)、書店で働いていて古本屋になったりと皆さん頑張って夢を実現しています。確かに昔から古本屋の店主と言うのはのんびりと好きな本など読みながら商売しているイメージがあって、年取って仕事を辞めたらそんな生活もいいなと思ってしまいます。

でも見るからに皆さん若くて、別に本屋の二代目という訳でもないのに古本屋なんです。これを見ていると今の社会が閉塞感に満ちている状況がそのまま伝わってくるようです。別にドロップアウトする訳でもなく自分の好きなやり方で社会とかかわって、大きな夢を見ることなく自分の生活を楽しんで生きていくことを選んでいるんでしょうか。そしてそれが古本屋なのですね。ちょっと変わった品揃えの店が多いので私も興味があり、あちこち見て歩いています。

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