2018年

10月

21日

社会的事業と新公共スタイル6

 近くでカフェをやっている人が来年でいよいよ定年退職になるという。そこで再度働くことはしないで地域で新しい事業を始めたいということである。その人とは前の仕事で知り合ったこともあり私が協同労働の法制化を担当していたことは知っている。新たに始めたい事業は一部協同労働でやってみたいということで協力をしてほしいという内容であったように思う。残念ながら自治体への事業提案は取り下げることになったようだが、現在やっているカフェでは起業支援などの取り組みはやっているのでそこでやってみれば良いのではないかと思っている。自分が関わっていた協同労働の法制化は最近になって実現するのではないかという憶測が聞かれるようになった。NPO法が制定された時にも当初は市民活動が法人格を持つことで可能性が広がったように思えたが、現実には都道府県段階の認可が必要でありそのせいか色々な制約がつけられている。今回の協同労働の法制化にあたっても色々な方面からの締め付けがあり実現には至っていない。今は団塊世代の退職が続いて社会的には働いていない人達が多くなっている。現役世代にも非正規社員で働いている人達が多いのが実態である。特に働く女性の実情は厳しくなってるように思える。当地で新たに事業展開をしようと考えていることの目指しているのはそんな人達への支援活動ではないかと思える。現実にカフェは女性への起業支援の一環として日替わり制となっているし、当面目指しているのは地域における社会的事業の起業支援ということだろうか。今回紹介された本はそのためのテキストのようなものらしい。1960年代に発行された「就職しないで生きるには」というシリーズの現代版である。当時は就職ではなく自分の趣味の店を持つことが多く取り上げられていた。今度はそれを事業化するシリーズが出ているのだ。今の生きにくい社会に自分のやりたいことを楽しみながら仕事に出来ればという試みなのか。心配なのは地域社会の環境と仲間づくりと言うことだろうか。「月3万円ビジネス」藤村靖之(晶文社)

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2018年

10月

14日

ラジオとカメラ

 全く知らない人だったがどこかの書評から読んでみようという気になった。その時は永六輔という人は写真が嫌いだが大石氏には撮影されるということが書かれていたのだったと思う。知らない人だったので読む気になったのに買い取りで偶然にも沖縄を取った本が入ってきた。こんなことが結構あるので面白い。写真家の本は大竹昭子という人の評価も良かったので何冊か集めて棚に並べている。その内の一冊を読んだが写真よりも文章が上手いと思った。就職しないでいきなりフリーのカメラマンとして仕事を始めたので若い時から苦労したという話がでてきた。既刊の本のタイトルを見ても社会派の写真家として活躍してきた様子がわかるのでそうだろうと納得できる。二人の対談が元になってこの本は出来ているので話し言葉で昔からの思い出が語られる。写真と放送ということになるとそれはテレビではないかと思うのだがそこから離れていった人の想いが出ている対談である。「レンズとマイク」大石芳野・永六輔(藤原書店)

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2018年

10月

05日

難しい対談

 すでに何冊か読んでいる南直哉氏の本である。今回は歌う神主さんとの対談なのでもっと柔らかくて読みやすいのかと思ったら相変わらず理屈だらけでかなり難しい。これだけ本にすると難しいのに語りは落語みたいで面白いということである。何を読んでも同じような印象を受けるのだがこの人は宗教家として何を望んでいるのだろうかと思ってしまう。この前は偶然にしてテレビにも出ているのを見た。小さいころからの疑問を今でもずっと追い続けている様はいかにも理屈っぽい少年がそのまま生長したようだ。前回の牧師との対談より今回は難しくて読んでもそのまま通り過ぎていってしまう所があった。その問い続ける姿勢が何処までいくのかすでに何冊かの本は買ってあるので再度読んでみたい。「死と生恐山至高対談」鎌田東二・南直哉(東京堂出版)

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