2019年

1月

27日

小さな旅

昭和59年NHKテレビで放送された「関東甲信越小さな旅」を見ていた。この番組は当初「いっと6けん小さな旅」というタイトルで関東地域のローカル番組だったと記憶している。時間帯は憶えていないがその時から見ていたように思うが、全て見ていた訳ではなく見られる時に見ていたということだろう。ある時の画面には私の故郷である山中が映し出されていた。そこは今では廃線となったトロッコ鉄道をレポートするものだったが、トロッコが好きだった高校生が旅の途中で亡くなったことを伝えていた。たまたま私の故郷にもあったトロッコ鉄道の跡地を見にいっていたのだろう。少年が亡くなったのは東北だったが番組タイトルが示すように関東を舞台にして作ったものと思われる。自分の子供と同じ名前の少年であったことや同じような趣味を持っていたことなどがあり、たまたま故郷が舞台だったこともあってか今でもその画面を憶えている。この本は少年のお母さんが書いた本であるが、なかなか捨てられないで持っている。この番組は「小さな旅」というタイトルで全国を舞台に取り上げて今でも続いている。冒頭のテーマ音楽を聞くと当時の事を思い出したりする。「トロッコが好きだった少年」馬場邦枝(未来社)

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2019年

1月

20日

古本屋の店先で

 本の本は結構買ってしまう。その中には古本屋についての本も当然ある。やはり興味があるから買ってしまうのだが、むかしの古本屋の出している本はやはり面白い。自分の知らない古い古本屋の実態は奇妙で面白いのである。最近の若い人たちが出すその手の本も大いに参考になるし、それもやはり本を出す位だからそれなりに文章の上手い店主であると感心する。今は書くのを止めてしまったが詩を書きながら古本屋をやっているなどと言うといつか本でも出すのではないですかなどと言われることがある。しかし古本屋に来るお客さんはそれなりに本に対しては言いたいことを持っている人が多い。そんなことを話していると自分の浅い知識が知れてくるのは明らかでとても本を出そうなどとは思わない。最近読んだ古本屋の本は一つは新刊であり、一つはかなり古い本であった。どちらも古本屋をしながらの文筆業で生計を立てていた人である。これがやはり面白い。古本屋ではこんなことが起こるのかと楽しくなってくる。文章も上手いし、やはり才能のある人は違うものだと思った。「ある詩人古本屋伝」青木正美(筑摩書房)、「古本綺譚」出久根達郎(中公文庫)

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2019年

1月

06日

この時代の音楽

 少し前からだろうか昔懐かしい音楽関係の本が出るようになった。団塊世代の定年退職に合わせるかのようにである。同時に楽器をもう一度弾いてみたいという事も起こり始めている。今この世代が商売のターゲットになっているようだ。生活には困っていないし趣味も多い。この本もそんな一冊と言えるのかもしれない。グループサウンドが流行した時からニューミュージックの時代へと音楽の世界で成功をおさめた様子がうかがえる。私もまさにこの時代を同時に歩いてきた世代でもあるので懐かしく読むことが出来た。当時の私が文章にまとめようと追っていたのはフォーライフレコードのことだった。ほとんど同じような軌跡をたどっているがどちらも既に次の世代に移っている。最初の口絵の部分には懐かしい写真がちりばめられている。これらの懐かしいものが今は高価な値段で売られているのだそうだが古本もまた同じようなことが起こっている。「村井邦彦の時代」松木直也(河出書房新社)

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