2019年

6月

26日

悩ましい読書

雨が続いているので休みもあまり遠くには出かけないで家で本でも読もうかと思って店の近くにあるデパートの書店に寄ってみた。ここは有名な大型書店なので本の数は多いのだがほしい本はほとんど在庫がないので注文で頼むようになる。しかし今回は特に読みたい本がある訳ではないので店に並べてあるものを買って帰ろうと見ていたらこれが目についた。今までも何冊かこの作者の本を読んで面白かったのとタイトルが気になったので買ってみた。作者はがんを患って離島での一人暮らしを始めた。文筆業なので時々出てきて打ち合わせをする程度で生活に支障はなかったようだ。雑誌などの連載や買った本は面白く読んでいたがなんでストーカーに逢うのかわからなかった。ということで読んでみるとSNSで知り合った人とのネットを中心としたストーカー被害の実体験を本にしたものだった。読後は何だかあまり言い気分ではなかったのだが現代のネット社会ではこのような事件が起こりえるのだなと納得する内容だった。有名な人でもネットで異性と知り合うということが実際行われているのだと知ったことにも驚いたがその内容をこうして本にして出すことにも驚いてしまった。ストーカーそのものも病気かも知れないがその人自身はまた別の病気を抱えていた。かなり赤裸々な関係性も書かれておりこれを初めから週刊誌に連載していたというのがすごい。とにかく本にして出したいということが優先したのだろうか。それにしても読後の何ともやりきれない思いは何なのだろうか。社会的な事件として現代ではきちんと法制度が敷かれなければいけないと思う。でも男女の別はあっても人間関係の作り方がうまくいかないことが現代社会には多い。そこから派生する事件や事例が当然のようにあることが問題のような気がする。「ストーカーとの七〇〇日戦争」内澤旬子(文芸春秋)

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2019年

6月

09日

じっくりと私史

この間読んでいた鶴見俊輔氏の本を再度読んだ。これは版元に注文して購入する本だった。一部は書店でも注文できるようだが基本的には出版社に直接注文すシステムになっているようだ。そのようにして入手したのだがネットで簡単に本が買える時代に少し面倒くさいかもしれない。しかし一人の作家の本をじっくりと作り続ける姿勢が好感が持てる。出版不況と言われてとにかく売れる本を作らなければやっていけない中で出したい本を発行していくことは大変なことだろう。その分価格は高めで発行点数も少なめだがそれは仕方のないことでもあるのか。古本で出てくる「思想の科学」に時折高価格のものがある。目次から興味のあるものを見つけて何冊か購入して持っている。タイトルのように雑誌を発行してきた経過が綴られている。発行について関わった人たちとの話も含めて面白い。装丁や本づくり全体の雰囲気が良くてこの出版社の本を何冊か買ってみる気になった。「思想の科学・私史」鶴見俊輔(編集グループSURE)

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