2016年

3月

16日

懲りない人々

 堀川恵子著「原爆供養塔」を読んだ。読後にかなりずっしりと重みを感じる一冊である。参加している読書会で耳にして、調べてみたらまだ新刊だったことから実際に購入するまで時間がかかった。古本で出てこないかなと思ったのだがなかなか出てきそうもないので新刊で買って読むことにしたが、読み始めるまで随分後回しになってしまった。読んでいる時間は速かった。貴重な写真も掲載されており、よく調べて描かれていると思った。副題は「忘れられた遺骨の70年」、帯には「はじめて明かされるもう一つのヒロシマの物語、氏名や住所がわかっていながらなぜ無縁仏とされたのか、引き取り手なき遺骨の謎をたどる」とある。これでおおよその内容は理解できるのではないかと思うので、興味のある人は読んでもらいたいと思う。

 日本に原爆が二基も投下され、一瞬にして多くの生命が奪われたということだけではなく、色々な事実がわかってくる。戦争による被爆国としても、戦争に加担したことも、もっと発言していかなくてはいけないのではないかと思う。チェルノブイリ原発事故が起こった後で色々な反対運動があり、私も食料品の放射能測定運動をしばらくやっていた。しかしいつの間にか会員の姿が見えなくなり、その運動も終わってしまった。最後は、日本の原発が事故でも起こさない限りみんな本気になることはないだろうという言葉を聞いた。その後、現在では原発の数は倍増している。東日本大震災の際にも行方が分からない多くの人がいた。津波により福島原発は爆発事故を起こし、テレビで放映されたその映像を何度も見た。私の家族の実家も津波で流されてしまい、子供が小さい頃は毎年遊びに行った海辺の家はもう無い。避難した人達が身近な所にもいるし、その支援をしてきた人たちも多くいる筈である。色々なことを経験した筈なのに、こうして同じことを繰り返してしまうのだな。

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2016年

3月

10日

本の在庫は泥沼

  本の在庫はきちんと管理しなくてはいけない。そうしないとこうなると言う見本のような店になっている。そこで一体どの位の量が有るのか棚卸しをしてみた。すると意外なことに全く予想通りの結果が出てきた。結構把握しているではないかと自己満足するが、内容的にはまだ不十分なラインナップなのも自覚している。もっと考えている線に近づけなくてはいけないと思う。

 ここの所で少しずつ増えているのはわかっていたので、それなりに減らしている途中である。不良在庫を抱えていても仕方ないのでストライクゾーンで勝負する野球投手のような心境である。でもそう上手くいけばこんな家が傾くほど本を抱え込むことも無かったのだから無理だろう。お客さんや知り合いに聞いても、皆さん捨てられない本を抱えて家を狭く使っているのがよくわかる。なぜ本が捨てられないのだろうと思うのだが、やはり買った時のことを考えたり、いつかもう一度読み直そうと思ったりして捨てるのはもったいないと持っているのだろうか。でも私もこうなって理解した部分もあるが、持っていても再び読む本はほとんどないし、処分してしまっても何の不自由もない。欲しければまた買えば良いし、借りて読んでも良いし、無くなっても何の心配もなく未練が残るだけ。持っている本を全部読むなんてできないと諦めて古本屋に売ってもっと本を流通させましょう。そうすればまた違った展開になるかもしれない。

 しかも最近は本が売れないと言われており、結果的には新刊本の値段がやたらと高くなってきている。そうすると余計に売れなくなって図書館で何カ月も待って借りて読むことになる。古本屋も新刊本を買って定価よりも高く売るようになる。こんな調子ではあまり良い方向には進んでいかないような気がして、最近多少高い本でも買いそろえてしまう傾向となっている。泥沼だ。

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2016年

3月

04日

読書の旅に出る

 を読めないと嘆くばかりだが、少しずつ読んでいる。何しろ捨てるほど本が有るのだから読まなくてはもったいない。と思いながらとにかく読んでいる。ここの所、次に読む本と言うのが積み重なっているので、その棚にあるものは適当に読んでいる。ひたすら集中してページを捲っているとだんだんとペースが上がってきて一気に読み終えることもある。そんな感じである。

 一冊読み終えると大体気になる箇所が出てきたりするので、ついでに調べ物をする。また関連する本を読みたくなるので、これも入手しておく。そんな具合なので、次から次という風に読み漁っているのだ。関連する本だけではなく中で紹介されている本も結構気になってくるので、比較的安い価格で入手できるものはついでに買っておき、時間を見て読んでみる。こうして本が増えていくのだ。

 最近買い取り希望が多くなり、つい本が増えているようだ。なんとなく増えたなと自覚している。せっかく手に入った本なのでこちらもパラパラとページを捲っているとそのまま完読と言うこともある。結局手当たり次第というような状態でなかなかまとまった読書となっていない。きちんと系統立って読んでいければ何か書き残しておきたいと言う気持ちにもなるのだろうが全然そんな状態ではないのが残念な所で、読み漁り、読みとばしているような感じで、こちらも何だかもったいないようなきがする。

 見知らぬ町の駅に立ち、何の目的も持たず、その町の雰囲気を楽しむ。私たちが旅に出かける理由は、今居る場所から他の場所へとただ移動したいだけなのか、今の世界から逃げたいのか、その時間その空間を楽しみたいのだろうか。本を読み楽しむこともそんなものなのだろうか。

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