2017年

6月

23日

漫画への強い想いを感じる

 今書いておかないと駄目だと言う想いなのかもしれない。年代的な感覚で言うと戦後の何もなかった時代から復興へと向かう社会が変化していった時代のことだ。その時代の若者たちももう社会から退いていることになる。懐かしい想いでとともに記録しておくことが必要なのだ。それにしても筆者の漫画についての思い入れは相当なものがあるようだ。前作は読んでいなかったが、この本に掲載されている何人かの漫画家には私も興味を持っているので読んでみる気持ちになった。本の中では29人の漫画家を紹介している。年代的にも同時代であり、半分位の作家に興味を持っている。同時にこれらの漫画家がデビューして活躍した雑誌に「ガロ」「COM」があるが、この雑誌についても同様の想いを持っている。漫画雑誌としては一時期にあったブームですでに書きつくされた感もあるが、当時活躍した漫画家たちについて書き残しておきたいと言う強い想いが感じられた。また新たに知ることができた内容もあった。そこから自分が少し調べたいと思うこともあり、貴重な資料ともなる。筆者はその想いからかってある作家を追い求め、やがて作品集を刊行した。そして今度の本ではさらに何人かの作品集をまとめてほしいと望んでいるのである。果たして実現するのだろうか、楽しみである。「漫画のすごい思想」四方田犬彦(潮出版社)

0 コメント

2017年

6月

18日

まだ読んでいる

 何だか本を読むペースが落ちているような気がする。本を読まないとイライラしてどうしようもないということもないのでかなりゆっくりという感じになっている。その上にこの本はすごく時間がかかっているのだ。共同通信社の文化部記者である筆者が雑誌「文学界」に連載したコラムをまとめたものである。全く知らない人だったが読んでいてとても面白く、時間をかけて少しずつ読んでいる。毎月のコラムにこれだけの分量を書くのも大変だと思うが、解かりやすくてしっかりとした文章と内容なので読みごたえがある。記者だと言うのでそれなりに取材を重ねたのでしょう。取り上げられた作家や作品は個人的な興味の範囲だと言うことだが、それらもまた面白い選択だと思う。特に永山則夫の文芸家協会入会問題については当時の文学界の様子がわかって興味深く読むことが出来た。調べたらこの本は20年を経て完全版が発行されている。他に白川靜、村上春樹についての著作があるが、それほど多くの本を出されている訳ではないようだ。たまにこうして引っかかる本に出会うとそれはそれで嬉しい。「文学者追跡」小山鉄郎(文藝春秋)

0 コメント

2017年

6月

14日

水曜日の午後

 いつも感じることだが水曜日は時間がゆっくりと流れているようだ。連休の後の仕事始めの日なので店でやることは多いのにゆっくりペースで出来るのがとてもありがたい。最近は連休の一日を使って本とは関係ない日を過ごしている。その分水曜日は色々なことが溜ってくるが、この時間がもしかしたら本来の自分の時間なのかも知れないと思える。買ってきた本を綺麗にしてカバーをかける。値段を付けて棚に並べる。そんなに多くはないので時間があれば本も読める。特に今日は天気も良く車も比較的少ないので良い。向かいの店は水曜日が定休日なのでシャッターが閉まっている。それなのに机の上に並べられた本は何と硬く難しい本ばかりなのだろうか。おかげでいつものようにすっかり眠くなってしまった。

0 コメント

2017年

6月

08日

いつも思うこと、その繰り返し

 店の休みを利用して本の買い取りを実施、前日に訪問して下見に行く。さほど量はないのでついでに縛りあげて束にしておくことにする。本棚から取り出して縛り始めたが、依頼主が手伝いに参加し始めたら一気にペースがダウンして結局2時間かかってしまった。一冊ずつ取り出して埃を払いページをパラパラと捲る。この様子を見ているとなかなか終わらないだろうなと思うが仕方ないことだ。そのうちに捨てないで取り置く本も少しずつ出てきてしまった。一日位なら良いだろうと思い切り縛りあげて積み上げた。前回同様に無くなった人の遺品のような本の山である。さほど量は無くても何が出てくるかわからないのでとにかく捨ててしまうのが一番良い方法だと思う。何もなかったことにすればそれで済む。

 縛り上げた本の大半は雑誌類だった。ほとんどと言ってもいいのでそのまま倉庫に運び入れた。時間のある時に少しずつ整理すれば良いだろうと思ったが、2日で仕分け終わった。結局そのほとんどを捨てることにしたからだ。店に置きたい本もなく売れる見込みもないので仕方ない。持ち主にとって本は知識の詰まった大切なものだが、他人から見たら邪魔な荷物でしかない。ガレージセールやフリーマーケット、インターネットで売るなど面倒で時間がかかる。残された荷物は残された人が片づけなくてはならない。それがどれだけ大変なのかここ何件かの買い散りで実感した。

0 コメント