2016年

10月

28日

古本屋の周辺から

 秋はイベントの多い季節で古本市などの催事も多い。以前に近くで行われたイベントに古本を持って出かけたこともあるが最近は遠慮している。店を出すより買う方が楽しくなってしまうと言うことと、苦労して店を構えているのでそこでのんびりとやっていきたいと言う思いもある。最近は一箱古本市と言うものがあちこちで開催されるようになって、業者以外の若い人達の参加で盛り上がっているようだ。定期的に行われる古本市も新たに開催される所も出てきて、何だか古本の世界が注目されているような気がする。しかし、色々な場面で聞くのは古本を含めて本が売れないという話ばかりなのだ。インターネットでも最近は本ではなく紙物類、グッズ類の出品が多いように思う。昔から続いている古本屋でもインターネット販売との兼売をしているし、仕入れるものも雑貨などが増えている。久しぶりに行く店などで店内がそんな雰囲気になっていると戸惑うこともある。何だか頑張っているというか大変な状況なのだなと感じる。

 一箱古本市については本なども出されていて何回か見学に行ってみたが、若い人達が多く参加していてとても賑わっている雰囲気だった。ただ基本的には一箱での参加なので、本を買うというよりはそこでのおしゃべりや情報交換を中心とした楽しい時間を共有する場という気がした。本のフリーマーケット的なイベントだとしても、本に興味を持ち楽しく語り合ってゲストトークもあれば充実した一日が過ごせるのではないか。個人的意見としては本を買いに行くので、その場に求めるものはどんな本があるのかじっくりと眺めて気に行った本があれば買うということだけである。

 この何年かで色々な古本屋を見て回った。どちらかというと普通の店よりもちょっと変わった店を探して歩いた。できれば邪魔にならない範囲で話もきかせてもらい、参考にさせて貰うことにした。新しく開店した所はやはり若い人が多く、共通するのはセレクトショップ的な棚づくりと雑貨やカフェ、ギャラリーなど本以外の要素を加えた店、そしてイベントの開催や参加である。インターネットだけで本を売っていた人が実店舗を持つ場合も出てきている。やはり店が本の居場所としてひつようであり、何となくコミュニケーションの場ともなるのかもしれない。何故か同じ本がどの店にも並んでいるということがあった。これがどういう現象なのかということは推測できる。

 高齢化した昔ながらの店は閉店するかインターネットで食いつなぐかという選択をしているようだ。古本市に参加する店もある程度顔ぶれが固定化していて、こちらもインターネットとの兼売である。昔は催事にも出たが今はインターネットと店売でやっているという所が多いのかもしれない。イベントへの参加は結構忙しくて大変という様子が覗える。そして総体的にこれらが落ち込んできているという状況なのではないかと思う。個人的な実体験の感想と今後のことを考えると自分の行く末はどうなるのか。商売でやるなら立地条件を優先して考えなくてはならない。趣味的にやるなら僻地でインターネットということもある。年齢のことも考慮して、さてどうしようか。

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2016年

10月

19日

またまた本の本を読む

 お客さんからの紹介で面白そうなので買ってみたが、相変わらず本の周辺について書かれた本が出されているのはやはり売れているからなのだろう。ついつい買ってしまうのは店をやっているからと言うよりも本についての関連本がそれなりに面白いからである。今回は九州で行われたイベントの記録集のようなものである。二日間に渡って開催された車座トークに参加しているのは、書店、出版社、取次会社で、それぞれ大手と中小の複数の立場から参加している。加えて外国に視察研修に行って来た報告もされている。

 業界の暴露話というか言わば延々と本に関する話を本音でしているので、本についての現状から問題点まで実に分かりやすい。15年前と10年前に本の世界は変化している。当事者がどのように考えて仕事をしているのか、何が問題なのか、結局どうすればいいのか、そして何故それが出来ないのか、出来るのかが理解できると思う。それにしても二日間もよく話し続けたもので、それでもまだ足りない部分があると感じるほど現代の本屋や本の周辺は危機感に溢れている。この中にはそのための生き残るヒントが多く詰まっているように思える。

 本の好きな人は本屋が無くなったら困ると思うかも知れないが、本も新聞も読まない人にとってはそれほど影響ないかも知れない。本は借りても読めるし、ネットでも買える。ただ現実にそうなったらどうだろうか。私がいま心配しているのは、出版社がいまのような感じで本を出していたら将来古本屋で売る本が無くなってしまうのではないかと言うことである。いま古本屋では昔の本を売っているからまだその価値があるように思うが、売れない本をつくり続けていると将来売れる本が無くなってしまうのではないかと言うことである。

 内容に比較して値段が安い、見開きページに使われている注釈がそのまま読めるのは有難い。「本屋がなくなったら困るじゃないか」ブックオカ編(西日本新聞社)

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2016年

10月

09日

生前整理

 テレビで生前整理という特集をやっていたので興味を持って最後まで見てしまった。ごみ屋敷とまではいかなくても家の中は常に雑然としている。古本屋を始めたのも本を整理しようと思ってのことだ。しかし買い取りがけっこうあるので本はなかなか減らない。棚が限られているので時々まとめて処分しているがやはり簡単には減っていかないものだ。現在住んでいる家は以前の家よりかなり狭いので引越しをしたときに家具などは捨てたのだが、それでもかなり狭い。そんな訳で少しずつ要らないものを処分している。色々なものが捨てられずに家の中に溜まっているのだ。無くても何も困ることはないのにただ置いてあるだけなのだ。洋服など何年も着ることがないものがあるので皆捨ててしまった。古い写真や手紙、見ることのないビデオやCD、使うことのない資料、新しく収納家具などを買うとその中に入れてしまうのでとにかく皆捨ててしまった。一気にやると疲れてしまうので少しずつ片付けている。どうせ死んでしまったら本当にごみにしかならないのだから同じことである。テレビでは片付けのプロなる人が登場して捨てるものと残すものを分別していたが、依頼者本人は片付けてきれいになるのが面白いらしく結構捨てていた。何も持たずに家から出て来たので私が持っているものは趣味的に集めてきたものがほとんどだ。消える時までに整理しておきたい。

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