2019年

3月

30日

疲れる本を読む

 何処で出会って入手した本なのか全く覚えていないのだが面白そうな表紙だったので読んでみた。内容は全く真面目なもので最近よく見かける良心的な福祉施設を設立するというストーリなのだが読んでいてかなり疲れてしまった。ふざけた文章ではないと思うのだが近頃はこんな書き方をよく見かけるしファンも多いだろうと思われる。売れている本らしくちくま文庫でも読めるようだ。よりあいのヨレヨレに載せたものがこのへろへろの内容なのである。高齢化した社会で本当に求められている政策を実現していこうとするとこんな感じになるのだと思う。それは幾つかの先駆的な施設で当初から取り組まれていたものである。だが社会全般では全部がそうなることはなく稀な取り組み例として紹介されるだけである。だからそれは面白いのだが。「へろへろ」鹿子裕文(ナナロク社)

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2019年

3月

17日

分厚い文庫本

 買っておいた文庫本二冊組みの鶴見俊輔全漫画論を読んでいる。それにしてもすごく厚い本である。それも二冊がずっしりと厚く高い。1960年後半から1970年にかけて書かれた漫画評論は読んでいた筈なので再度読み直しているような感じだ。大学生が漫画を読むと騒がれていた時代に書かれたこれらの評論は真面目に書かれていた。それもかなりの分量になるものだと感心する。どこまで理解していたのかわからないが追っていたような気がする。鶴見氏はその後も漫画評論を書き続け最近の作品についても論じていたのにも驚く。今日のラジオ番組に出演した漫画家が最近の漫画はファンタジーになってついていけないと言っていた。アニメやゲーム化してキャラクター中心の漫画がほとんどであるがそれらも含めて誠実に評論しているのも凄いなと思う。「鶴見俊輔全漫画論1・2」(ちくま学芸文庫)

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2019年

3月

10日

もうじき読めなくなる

 本を探していると言うお客さんから鶴見俊輔と言う名前を出されて気になって何冊かの本を買い集めてしまった。先日は書店で昔の漫画評論を集めた文庫本の二冊セットが出ていたので少し無理して買ってしまった。何しろ最近の文庫本は高いのだ。その鶴見氏が晩年につき合っていたと言う出版社の本を注文した。それがとても丁寧な本づくりをしていておまけに対応も良かったのですっかり感心してしまった。書店で何か本を買おうかと棚から取ってページをめくっていたら冒頭にこれまた鶴見氏の事が書かれていたのでこの本を衝動買いしてしまった。目次を見ると興味をそそられるような言葉が並んでいたのだ。「読みながら消えていく」「私はもうじき読めなくなる」「記憶力の衰えを笑う」「蔵書との別れ」「古典が読めない」「硬い本はもう読めない」などなどである。読書ノ―トであるが取り上げられている本がそれぞれ気になるような本ばかりである。一話ごとに紹介した本の一覧が掲載されているので参考にしてまた何冊か読んでみたいと思っている。そう言えばこの著者は雑誌「季刊本とコンピュータ」でよく読んでいた。何しろ定期購読していたのだ。本のタイトルとは逆にかなり精力的な読書家である。「最後の読書」津野海太郎(新潮社)

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