2019年

7月

21日

時代の感性

今日は日曜日で参院選の投票日だが店の前を通る人はあまり見ない。天気も持ち直したのでどこかへ遊びに行ってしまったかもしれない。今は昔と違って期日前投票と言って事前に気軽に投票できるようになったのですでに投票を済ませている人もいるかも知れない。昔は仕事などで当日投票できない人が事前に投票できるシステムだった。投票率が低いのでとにかく選挙に関心を持ってもらわなくてはいけない。投票時間も2時間延長したし期日前投票も簡単になった。だがほとんどの人は今日の投票日に投票すると思う。今回の選挙では当初は期日前投票は少なかったようだがその後に前回同様に多くなってきたと報じられている。もしかすると意外と関心が高くなって低調と見られていた投票率も上がってくるのかも知れない。日曜日の店は相変わらず暇なのでちょっと調べ物をしていたら若い人が来店した。特に本を見ることもなく聞かれたのはこの地区の投票所がわからないと言う。これはきちんと教えてあげないといけないと思って思い出すように場所を教えた。住んでいる所は違うのでここで投票したことはないが歩いてくる途中にその場所があったのを思い出したのだ。自分が若い時にはほとんど選挙に関心が無くこんな場合にはおそらく家に帰ってしまったろうと思う。若者が投票したくなる参院選になったとしたら結果は又変わってくるのかも知れない。この本は実はまだ読んでいる途中である。というかまだイギリス労働党の党首選の部分までしか読み進んでいない。ただこの候補者の選定過程が面白いのだ。決してリーダーシップのある候補者でもなく押されて出た訳でもないのに自分が出るしかないのかという結論を出した。候補者として名簿に名前を載せることが重要だということから左翼的な労働者側の立場を代表して立候補するのだ。名簿登載のための推薦者を集める作業が難航するが土壇場で集めることができる。ここでやっと3分の1位であるが面白い。簡単に政権を取れる政党ではなくなり接戦を強いられるのは世界で同様の政党が多く見られる。それでも支持する人たちがいてなお且つその勢力の中でも意見の違いがあり対立していく。そんなことはどこでも同じなのだと実感する。でもどこかで変わることがあるのだろうか。そんな可能性が見え隠れする。「候補者ジェレミー・コ―ビン」アレックス・ナンズ(岩波書店)

0 コメント

2019年

7月

20日

そんな時代だった

相変わらず本に関する本を読み続けている。これは雑誌「本の雑誌」に連載されていた読書日記のような本だ。思い返してみるとけっこうこの人の本を読んでいて店にも何冊かは置いてある。ただ残念ながらあまり内容を覚えていないので申し訳ないと言う感じがする。毎週古書市に出かけて注文してくるのだからこのペースでいくと家にはかなりの蔵書が溢れかえっていると思う。それでも書店に寄ってはまた本を買いという生活をしているのだから驚いてしまう。驚く内容はもう一つあって別の日記では夜になると飲み歩いている記録が綴られているのだ。見るとこの手の日記が何と店には三冊あった。それにしてもこれだけ本を読んでいることが恐ろしい話だ。日記なので詳しい内容まではわからないが皮肉っぽい書き方から自分よりかなり年長なのかと思ったら意外と下だったのにも驚いた。ついでに今連載している「本の雑誌」のことが書かれている昔の本も合わせて読んでみた。私が上京した時期に出されていたので興味を持って読んでいたのだが何と創刊は1976年だった。こちらも発行当時は皆若いのだから血気盛んな事例が色々書かれている。そんな時代だったのかも知れない。「昼夜日記」、「書中日記」坪内祐三(本の雑誌社)、「本の雑誌風雲録」目黒孝二(本の雑誌社)

0 コメント

2019年

7月

12日

生活をうたう

長い梅雨が続いていることもあり本を読む時間が多くなっている。おかげでこの間読む調べてきた京都や神戸など関西の詩の世界を知ることができた。以前から何人かの詩人の作品が気になっていて読みたいと思っていたがなかなか入手することが出来ずそのままになっていたのだ。今はその周辺の本や同人誌をネットで購入して読んでいる。魅力的な人物が多く見つかりますます範囲が広がっているような気がする。当時の詩や短歌が作られて仲間が増えて色々な関係性が生まれていく過程を読むとその時代の様子が現実に見えてくるようだ。その時の社会的な背景には戦争があり内容にも当然反映してくるのだが詩作という行為がそのまま生活としてあったということが見えてくる。作品を読むと同時に時代を読んでいる思いである。この間興味を持って読んできたこの流れはもう少し続くのかも知れない。「詩のある日々」河野仁昭(京都新聞社)、「戦後京都の詩人たち」河野仁昭(すてっぷ発行所)、「行きかう詩人たちの系譜」和田英子(編集工房ノア)

0 コメント

2019年

7月

07日

本に残されたもの

古本なのでそれほどきれいな本があるとは思わないが、せっかく買った本に書き込みや線引きがあるとやはり買うのをためらってしまう。最近は新古書店できれいな本を売っているのでどうしてもそこを基準にしてしまう傾向がある。以前は古い本ばかり並べていてもそれで良いと思っていたが、あまりにも古書然とした棚にも抵抗感があり、古書店ではなく古本屋であるという位置づけに落ち着いた感じだ。ちょっと中途半端なようだがそんなイメージで自分の読みたい本を集めて並べるという作業を繰り返している。そうした繰り返しの結果なのか何となく自分の書斎的な棚が展開しているような気がする。勿論古本屋なのでそんな棚の中から欲しい本が見つかったら買ってもらいたいと思っている。そうしないと本で家が傾きかけた単なる本好きになってしまって今後がますます心配になる。本が好きな人の例にあるように読むと同時に集める傾向があり増え続けてしまうからである。もう一つの例で本に関する本も好きで、書店や出版などの本も含めて色々と集めている。これが結構次から次へと出されるのはそれなりに売れているのかも知れない。この本は新刊で買って読み終えた後に一度売ってしまったのだが店を始めてからまたどこかで古本として買ってきたものである。本の中に書き込まれている線だけではなく色々な文章や意味不明な言葉から以前の持ち主を探ると面白いのではないかと言うことだ。そんな本ばかりよく集めたものだと思える本が次々と紹介されて一冊になっているのだ。その上本の構成がひたすらその趣旨に沿うように書き込みや線引きだらけなのもすごい。写真が多用されているので読むより見やすい感じの造りになっている。ただ個人的には書き込みのある本は好きではないし、線の引かれた本はまず買わないと思う。何でこんな所に銭を引くのだろうと思うように極めて個人的な思いがそこにはあるからである。その部分に関心が向いてしまい気になってなかなか読み進まないのだ。それにしても最近は色々な形で本で遊ぶように楽しむ傾向が見られる。「痕跡本のすすめ」古沢和宏(太田出版)

0 コメント